八斗子は基隆市の北東にある小さな半島で、三方は海に囲まれ、遥か遠くには和平島が見えます。地理的な立地の良さから台北最大にして最良の漁港となったこと場所は、もともと平埔族という原住民が住んでいた場所に漢民族が移り住むことで徐々に漁村の形が形成されました。景色の美しさから多くの人が観光に訪れる地となっていて、一昔前は夕日によって漁船が影を作り、美しい景色を成したことから「八斗夕照」と呼ばれ、基隆の8大景色の一つに選ばれています。また、夏の夜は船に灯りによって幻想的な風景が作られるなど、季節や時刻によって異なる風景を作り出す点が大きな特徴です。付近の海岸には公園が設置されおり、園内には歩道や東屋、海を眺める展望台などがあるので、遠方の小島を眺める以外にも広大な海を眺めたり、心地よい海風を楽しむなど落ち着ける空間となっています。海に囲まれていることから地形も独特で、海岸には波食棚、海蝕崖、海蝕溝といった多数の海蝕の痕が奇妙な形を作り出し、多くの人の関心を集めています。ただ、脆くなっている場所もあるので、観光をする際は崖の崩落や転落などに注意しましょう。季節ごとの変化としては、春と秋には渡り鳥の移動が見られたり、色彩豊な鳥たちの羽が付近を彩ります。また、園内の歩道を歩くと草花や蝶、鳥といった生物、さらには絶景が楽しめる望幽谷などを鑑賞できます。植物の中でもおすすめは公園内に多々生息する海岸植物で、照りつける太陽や海風、高潮、干ばつといった厳しい環境に耐えながら美しい花を咲かせます。こうした美しいものばかりではなく、公園から少し離れた崖の上には廃棄されている堡塁など歴史的な遺物も残されていて、堡塁の内部から海岸沿いを見ると八斗子港に出入りする漁船の全てが把握できることから、かつてこの地が重要な軍事基地だったことがわかります。他にも景色を十分に楽しみたい方におすすめなのが、海抜が101.1mであることから命名された101高地という場所です。ここは台湾でも珍しい360度パノラマを楽しめるスポットで、観光地として有名な九份や番仔澳灣、望海巷といった台湾北東部にある有名な岬や湾など驚くような光景を楽しむことができます。