官舎エリアは緊急事態に備えるために設置されたもので、現地に住む漢民族の生活と密接な関わりを持っていました。エリア内には等級の異なる官舎が数多くあり、一部は官庁から遠く離れたものもあります。こうしたエリアは集落付近にある未開の地を開発するために利用されたり、漢民族の生活圏に干渉をしないための垣根の役割を果たしていました。他にも二沙湾一帯には日本統治時代の税務署の庁舎が残っており、ベランダのある殖民地様式で建築されたこの庁舎は、かつて台湾総督府の事務所や庁舎としても利用されました。基隆要塞司令部士官宿舎とそこに併設された宿舎の配置は日本統治時代の官庁の配置によく似ています。官舎が建つ以前のこの地域は大沙湾の伝統的な集落に属していましたが、漢民族の集落や市場とも距離が近く、生活レベルが高かったことがわかっています。また、現地の住民はこの地域一帯がフランスの墓地と隣接していて、甲申政変の戦場だったのではないか考えています。漢民族の伝統的な考え方からするとこうした地は居住に適さないのですが、官舎を設置するには非常に適した場所でした。
基隆要塞司令士官宿舎
スポット地図
場所
基隆市中正区中正路111、113号
電話
02-24224170 #356
駐車場
中正区行政大楼の地下駐車場
時間
修復工事中の原因で、開放禁止です。
旅
1. 基隆市内バス101か104号に乗って「中正区行政大楼」で下車してすぐ。